前回のpartではダイヤモンドの4Cについて記事にさせて頂きました。
ここからが私どもの考えるダイヤモンドの本来の良し悪しについて述べさせて頂きます。
ダイヤモンドの良し悪しについてはある程度鑑別書やソーティングなどに記載された4Cで判別ができるのは事実です。
国際的に定められた基準に沿って、それに対応したマスターストーン(評価基準となる見本の石)と鑑定する石を比較して鑑別しますのでほぼ品質保証と言ってよいかと思います。
しかし、ここでの品質保証とは各項目(カラット、カラー、クラリティ―、カット)それぞれを分けて評価した結果を保証したものです。
美しさや輝きを保証したものではないのです。
ダイヤモンドの美しさや輝きとはこの4Cを含めたあらゆる要素が組み合わさって生まれるものです。
ダイヤモンドの4Cの評価とそのダイヤモンドの輝きや美しさについての関係性は
身近なたとえでいうならば、学生時代の成績表を思い出して頂ければと思います。
ダイヤモンドより人間の方がその人の評価する要素、好きだと思う要素ははるかに多いので同じではありませんがおおまかなイメージとして思い浮かべて頂ければと思います。
例えば日本における学校の成績表は個人を各項目(数学、国語、英語、体育、美術などなど)に分けてそれぞれに10段階あるいは5段階などで評価されていたかと思います。
五段階で言えば、
中には評価がオール5の人も居られるかもしれませんし、ほとんどの項目が3や4の評価である人もいます。
では人を比較するものではないですが、前者の方が後者の方より成績表の評価が高いからと言って、すべてにおいて前者の方が後者の方に勝るかと言えばそれ無ないかと思います。
これは当たり前の話ですよね。
学校や企業も私たちもそれは重々承知ですし、成績表が選考の一部参考になっても、それだけを基準に採用や合否を決めることは無いでしょう。
人における学生時代の成績表の評価なんてものは当時のその人の極ほんの一部の要素でしか有りませんので当然と言えば当然かと存じます。
そしてその評価をつけるのは学校の先生(同じ人)です。
さらに学校が違えば評価している人も違う人です。
当然、成績表の評価だけでその人をパートナーとして選ぶ基準にしているなんて事があったら、おかしいと思われる方がほとんどかと思います。
その評価は見ず知らずの他人が下した評価であって、好きになる人や友達になりたいと思う人は自分の価値基準で選んでいるはずです。
しかしダイヤモンドにおける4Cの評価はその石をはかる上での大きな要素ですので
4Cが高い方が低い方よりいいと考えてしまうかと思います。
そもそもダイヤモンドの質や輝きについて触れる機会は中々あるものでは無いかと存じますので、お店でプロの方に説明を受ければ、そうなのかと思い込んでしまうかと思います。
確かにある二つのダイヤモンドにおいて、4Cの評価の差が大きい場合、その二つのダイヤモンドの質にも大きな差として違いが現れます。
やはりそこは国際基準の評価ですし、幸いダイヤモンドは人程評価すべき要素は多いわけでもありませんので。
ある程度4Cの評価にダイヤモンドの質もちろん、それにおいて全体的な輝きや美しさも順ずるかと存じます。
だた、重要なことはやはり、学生の成績表と同じ様にダイヤモンドの4Cとは、異なる機関の異なる人によってそれぞれ各項目ごとに評価した成績表のようなものであるという事です。
つまり4Cの評価が高い石が美しいのではなく、
美しい石の多くは必然的に4Cの評価も高いことが多いというイメージをもたれることが重要です。
ダイヤモンドの輝きは先にも述べさせて頂きましたがあらゆる要素が相まって一つの輝きとしてそこに生まれているのです。
人の魅力と根本は同じです。
その石が
顕微鏡で見てどれだけ傷やインクルージョンがないか。
顕微鏡で見てどれだけ理想となる無色の領域が多いか。
顕微鏡で見てプロポーションは理想とされる形にどれだけ近いか。
その評価だけに惑わされないでください。
もちろんそれぞれ美しさにおいて重要な要素です。
それぞれの要素が高いことは重要ですし稀少です。
ですがそれがうまくかみ合っているのかが最も重要なことなのです。
逆に言えば、それそれの要素は少し劣っていたとしても、
組み合わさり方が絶妙なダイヤモンドは時として4Cの評価として各要素が勝っているものよりも美しく輝くのです。
そういった意味でダイヤモンドの輝きや美しさは人間と似ていると言えるのでございます。
ですから時としてある4Cが低いダイヤモンドがある4Cの評価の高いダイヤモンドと比べてより美しく輝いていることがあるのです。
大切なことは4Cも含めて、ダイヤモンドの輝きや美しさにおいて何が重要な要素となっていて、どう組み合わさっていると美しく輝きているのか?
ひとつひとつの4Cの評価は高いのに組み合わさり方が悪いとどうなってしまっているのか?
それを知るとことはとても大切ではないでしょうか。
でないと、では4Cの評価のついていないダイヤの良し悪しはどうやって見比べるの?
という話になります。
実は世の中のジュエリーになっているダイヤの多くは4Cの評価が付いていないのものがほとんどなのです。
ですが当然比べればその良し悪しはある訳でして、その都度4Cの評価に頼ることはできないのです。
では4Cの評価の無いダイヤの良し悪しは何を見ているのか?
結局のところ綺麗かそうじゃないかのシンプルな話なのですが、微妙な差はやはりダイヤの本質的な美しさの差を見なくてはいけません。
その微妙な現れ方が確かな違いとしてあるのでございます。
そういった点を踏まえて次回は4Cの要素だけではない、そのダイヤの根本的な美しさと要素の組み合わさり方について具体的に触れさせて頂ければと思います。